ペットロスの乗り越え方~別れの悲しみを受け入れるためのステップ

少女が庭で愛犬と寄り添う様子を捉えた写真

人間より寿命が短いペットを飼った以上、私たちは人生最大の苦しみと言っても良い「別れ」を乗り越えなければなりません。

別れからのペットロスでは「否認」「怒り」など、5つの心のステップの心の移り変わりを経験します。

本記事ではステップを踏みながらペットの死を乗り越え、穏やかに別れを受容する方法を、お話させていただきます。

ペットロスやペットロス症候群の症状

ペットを思い出して静かに考える女性の表情

ペットロスとは、かけがえのないペットを生死に関わらず失った時に飼い主に訪れる、心身の不調です。

悲しみや後悔とともに、不眠、食欲不振、極度のだるさなど、体にも不調が訪れる場合が多く見受けられます。

ペットロスはペットを失った方なら、必ずといっていいほど起こる症状です。

焦らずに段階を経て、どうしようもない悲しみから抜け出していきましょう。

ペットロスが引き起こす悲しみの受容

ペットを失ったとき、私たちの心のステップは以下のようになります

  1. 否認(事実を否定する気持ち)
  2. 怒り (自分だけが酷い目にあった、と怒りが人に向けられる)
  3. 取引 (神様にお願いして事実を遠ざけようとする)
  4. 抑うつ (「どうすることもできない」と感じ、無気力・抑うつ状態になる)
  5. 受容 (喪失したことを冷静に受け止められるようになる)

アメリカの精神科医、エリザベス・キュープラ-・ロス(1926〜2004)はこのステップを「究極の喪失」と名付けました。

メンタルヘルスの分野において、「究極の喪失」はペットロスのような死に伴う別れに限らず、大小さまざまな「喪失」に直面するときでも同じステップをたどっていくと言われています。

「受容」はもっとも大切なステップ

ペットを亡くした後の心の癒しを求めて草の上に横たわる女性

ペットロスを乗り越えるための最も重要なステップは「受容」です。

受容はペットロスを経験した人にとって、最終的に日常生活を取り戻すために必要な着地点です。

しかし、5つのステップは必ずしも順番通りではなく、前の段階に戻ったりと、行き来する場合があります。

いつ終わるともわからない気持ちの波の激しさに、自信を失うこともあるでしょう。

しかし、乗り越える方法を試みながら時を待てば、必ず別れを受け入れる時はきます。

ペットとの別れの方法とその意味

思い出の中のペットとの穏やかな瞬間、蝶と戯れる子猫のモノクロ写真

ペットロスには葬儀という儀式は大変有効です

儀式を行うことで、自分の心理状態を客観的に受け止め、自分の中で区切りの覚悟ができるからです。

ペットの場合はペット葬が一般的なので、執り行ってくれるところを探しましょう。

葬儀を行うまでの間は自宅に安置することになりますので、その間にできることをしましょう。

  • 身体をきれいにしてあげる
  • 箱のようなものにタオルやペットシーツを敷き、ペットを入れてあげる
  • その上にまたタオルをかける
  • 時期によっては腐敗を防ぐために保冷剤などを一緒に入れる
  • 箱の下にはビニールシートなどを敷いておく(体液が染みださないように)

※犬の場合30日以内に市区町村に死亡届をだしてください。

準備が終わったら、ペットと最後に過ごす時間を大切に心静かに過ごしましょう。

ペットの思い出の保存と整理の必要性

失ったペットの思い出、砂浜に残された足跡

ペットの思い出を整理することは、大変意義のあることです。

沢山撮った写真やビデオなどをゆっくりみながら整理するうちに、知らず知らずに心の整理もついてくるものです。

整理をしながら、ご家族や友人と思い切りペットの思い出話をしてください。

ペットロスが長引く人の特徴に「周りにペットのことを話せなかった」という方が多くいらっしゃいます。

ペットを失った悲しみを誰かと共有することで、ペットロスの症状は緩和されると言われています。

ペットに関係するアート作品で癒される

女性が自然の中で読書を楽しむ様子、ペットロスの悲しみを和らげる癒しの時間

最近はペットに関係するアートや音楽、本などが沢山あり、ペットロスの人たちの心が癒される作品も少なくありません。

絵や本、映画などに触れることで、自分とペットが共に過ごした日々を思い返すことができ、気持ちが楽になったと言う人が沢山いらっしゃいます。

おすすめの作品を記しておきます。

映画
  • レオ 優里
  • 吾輩は犬 松本素生
  • 犬のうた~ありがとう~SHUHEI
  • 犬のお願い three tight b
  • ジョンの純な恋物語 東真紀
ジョンの純な恋物語

映画と書籍については、当ブログにレビュー記事もありますので、よければご覧ください。

それでも立ち直れないと感じるあなたのために

ペットロスからなかなか立ち直れない理由に、ペットに対しての「後悔」が大きいということがあります。

「忙しくて遊べなかった」「つい冷たく当たってしまった」など、生前愛情を注いであげられなかったことへの後悔の念が大きい人ほど、ペットロスから立ち直ることを難しくさせているのです。

しかし、亡くなった子との楽しかった日々がきっとあったはずです。

もし、次の子をお迎えした時は、必ず前の子の分の愛情までしっかり注いであげましょう。

ペットロスの乗り越え方~別れの悲しみを受け入れるためのステップ まとめ

人と犬が遊ぶシルエット、ペットロスの回復への希望を象徴

ペットロスを乗り越えるための最後のステップ「受容」にたどり着くためには、「自分の努力」「時間」「周りのサポート」などが必要です。

しかし、心は機械ではありません。

思ったようにいかない日々もあるかと思います。

大切なのは、焦らず、悲しみを無理に押さえつけず、あらがわないことです。

悲しみが完全に癒えなくても、今までの日常はすぐそこにあるのです。